About Project
カプセル建築プロジェクト
黒川紀章(1934-2007)のメタボリズムのカプセル建築を再評価し、現代的意義を世に問います。あわせて、黒川紀章が自らの別荘として1972年に竣工し、その後50年間基本的に非公開であったことで良好な保存状態が保たれてきたカプセル建築「カプセルハウスK」の動態保存活動を行います。当ウェブサイトを開設以来、多くのメディアに掲載して頂き、皆様の関心の高さを実感しております。皆様からのご意見、ご感想をお待ちしています。
当ホームページのクレジットについて
図版を転載する場合:工学院大学建築学部鈴木敏彦研究室
文章を引用する場合:工学院大学建築学部教授 鈴木敏彦
写真:山田新治郎
上記の原則に基づきウェブサイトを株式会社ATELIER OPAが編集、構成しております。詳しくはinfo@capsule-architecture.comまでお問い合わせ下さい。
書籍
『黒川紀章のカプセル建築』(鈴木敏彦=文、山田新治郎=写真、Opa Press、2022年4月5日)
当初発表した内容に、新たなコンテンツとインタビューと撮り下ろし写真を加え、254ページ、日英バイリンガルの本を2022年4月にOpa Pressより出版しました。
初出誌:工学院大学建築系同窓会誌『NICHE Vol. 44』「黒川紀章のカプセル建築」pp.24-55、Opa Press、2021年3月20日)
ごあいさつ (2021年4月1日)
株式会社MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO(代表:黒川未来夫)と工学院大学建築学部 鈴木敏彦研究室は共同し、黒川紀章設計の「カプセルハウスK」(長野県)を保存しながら活用する「カプセル建築プロジェクト」を始動します。
黒川紀章(1934-2007)は日本を代表する建築家です。26才で建築を新陳代謝させる理論運動「メタボリズム」を展開し、1970年の大阪万博ではカプセルを用いたパビリオンを発表し、1972年には東京・銀座ではカプセル型の集合住宅「中銀カプセルタワービル」を竣工しました。これらの「カプセル建築」は、耐用年数のみならず、住人のライフスタイルや用途に合わせてカプセルごと交換することを意図して作られ、その画期的なコンセプトと共に世界的な話題となりました。
東京、銀座の「中銀カプセルタワービル」は2006年にDOCOMOMO JAPAN にて日本におけるモダン・ムーブメントの建築として選定されましたが、築50年を経て老朽化が進み、建物は解体や存続の危機にさらされています。しかし昨今のコロナ禍では、テレワークやリモートワークの需要が高まり、カプセル的な場所や空間の需要が高まっています。今こそ、カプセル建築と黒川紀章の思想を再考すべきではないでしょうか。黒川紀章建築都市設計事務所の当時の設計担当者と集い、「カプセル宣言」(1969)、大阪万博の「住宅カプセル」(1970)、「中銀カプセルタワービル」(1972)、そして「カプセルハウスK」(1973)というカプセル建築の系譜を整理しました。
これまではカプセル建築のルーツとして、大阪万博(1970)の「タカラビューティリオン」(理美容機器メーカーのパビリオン)の立方体のカプセルを例に挙げる分析が多く見られました。しかし、すべてのカプセル建築の統括責任者であった阿部暢夫氏は、同万博会場にあった「空中テーマ館住宅カプセル」こそ黒川紀章の「ホモモーベンス」のコンセプトを表したもので、「中銀カプセルタワービル」を経て「カプセルK」(1973)がその完成形であることを指摘しています。また、すべてのカプセルを設計した茂木愛子氏は、今や広く普及したカプセルホテルの原型である、世界初のカプセルホテル「カプセル・イン大阪」(1979)を振り返りました。こうして設計者の声や当時の資料を基に、カプセル建築の系譜を作り、インテリアとしての位置づける新解釈を試み、研究をまとめました。
カプセル建築の誕生から現在までを改めて俯瞰すると、黒川紀章の「カプセル宣言」は、半世紀後の私たちのライフスタイルを予言していたのではないかと考えさせられます。テレワークや二拠点居住など、黒川が想定した「ホモモーベンス」の暮らしが現実味を帯びてきました。私たちは、黒川紀章のカプセル建築にはこれからの暮らしに役立つヒントがあると考えています。皆様のお力添えを賜りたく存じます。どうぞ忌憚のないご意見をお寄せ下さい。
カプセルハウスKについて
「カプセルハウスK」 は50年間の非公開を経て、2021年5月に初めて一般公開し、6月から民泊事業の開始を予定しています。1972年に黒川紀章が長野県北佐久郡に自分の別荘として建てた建物です。カプセル建築の完成形とも言えるこの個人住宅は山間にあり、人目につくこともなく、初期の状態が保たれてきました。2019年に長男の黒川未来夫が取得し、修繕と維持管理を行っています。数少ないメタボリズム建築の一つであるこの建物を、将来のカプセルの交換を含めて長く後世に残せるよう、御支援を頂いている方々、各関係者様のご協力を得ながら進めて参ります。2021年5月23日まで、動態保存のためクラウドファンディングを実施しました。 ⟶ MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO
活動内容
以下の2つの柱を下に活動していきます。
1. 黒川紀章のメタボリズムのカプセル建築を再評価し、現代的意義を世に問います。
2. 黒川紀章が自らの別荘として1972年に竣工し、その後50年間非公開であったことから良好な状態が保たれてきたカプセル建築「カプセルハウスK」の動態保存活動を行います。
プロジェクトメンバー
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鈴木敏彦
Suzuki Toshihiko2010 – 工学院大学建築学部教授
2007 – 2010 首都大学東京システムデザイン学部准教授
1999 – 2007 東北芸術工科大学生産デザイン学科助教授
1985 - 1986 フランス新都市開発公社 EPA Marne
1984 – 1990 黒川紀章建築都市設計事務所
1995 – 1999 早稲田大学建築学専攻博士課程
1984 工学院大学建築学科修士課程終了
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黒川未来夫
Kurokawa Mikio2018 – 株式会社黒川未来建築都市設計事務所代表取締役
2016 株式会社MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO代表取締役
2008 – 2016 黒川紀章建築都市設計事務所代表取締役
1990 東京藝術大学美術学部絵画科卒業 -
茂木愛子
Mogi Aiko2003 – 2018 阿部設計室
1970 – 2003 黒川紀章建築都市設計事務所
1965 前橋市立工業短期大学卒業 -
石間克弥
Ishima Katsuya2021 工学院大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程卒業
2018 常葉大学造形学部造形学科環境デザインコース卒業
修士論文「黒川紀章のカプセル建築に関する研究」 -
杉原有紀
Sugihara Yuki2008 株式会社ATELIER OPA 代表取締役
2003-2008 東北芸術工科大学プロダクトデザイン学科准教授
2002 ポーラ美術財団若手芸術研究家としてパリ滞在
2001 東京大学大学院工学系研究科先端学際工学 博士(学術)
1998 武蔵野美術大学大学院デザインコース 修士(造形) -
マルコ・インペラドリ
Marco Imperadoriミラノ工科大学建築学部教授、極東アジア地区学長代理。セント・ジョセフ大学(マカオ)客員教授。理学修士、建築工学博士。1998 – 2016 Atelier 2主宰。研究テーマはエネルギー効率の高い建物、構造/外皮建築システム、持続可能性。アンジェロ・マンジャロッティ財団科学委員会理事、ISTeA(イタリア建築科学技術工学協会)理事、アクティブハウス賞審査委員長。
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カプセル建築の系譜 | はじめに | 座談会 | 1969 カプセル宣言 | 1970 大阪万博 | 1972 中銀カプセルタワービル 1973 カプセルハウスK | 1979 カプセル・イン大阪 | 2014 ナインアワーズ成田空港 | 2021 ダンボールスリープカプセル |
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